南月山−ウバヶ平


H19.10.21

   南月山−ウバヶ平  紅葉を期待して7月に歩いたコースをまわってみました。


沼原の駐車場と白笹山
 この季節、紅葉狩りと言うと渋滞は付きもの。比較的渋滞の少ないと思われるコースをたどり、那須方面に行くことにする。6時自宅を出発、コンビニで食料を調達して高速道に入る。いつも渋滞する那須ICを避けて、一つ手前の西那須野・塩原ICで高速道を降りる。7時前とあってスイスイ車を進め、板室温泉経由で沼原湿原を目指す。


沼原池と県境の山々
 天気は快晴だが、塩原温泉北方の山々には雪雲のような雲で覆われている。時折、目指す白笹山も雲が横切る。寒気が入っているせいだろうが、何とかなると楽観的に車を進める。板室温泉を過ぎると、木々に変化が現れ少しずつ黄色みが差してきた。ゴルフ場近くのT字路からいよいよ登りに入り、高度を増すごとに赤や黄色が濃くなってくる。


ガスに煙る茶臼岳
 7時半、沼原の駐車場に到着。既に満車に近い状態。トイレでスッキリして、白笹山経由南月山に向けて出発する。風が強く、日の出平から続く尾根の先端は霧氷が付いているのか白く見える。結構寒く、フリースに軍手で防寒対策をして白笹山の斜面に取り付く。標高1300m付近からは紅葉の色も良くなり、上部の色に期待しながらゆっくり高度を稼ぐ。大佐飛山方面の山肌も綺麗に色づいている。視線をあちらこちらに巡らしながら、汗をなるべくかかないようにジックリ進む。


南月山山頂の祠
 白笹山を北側に回り込むと、噴煙をなびかせる茶臼岳が一瞬顔を出す。紅葉も丁度見頃で、益々期待は高ぶる。5−6人のパーティや数組のご夫婦に道を譲られ、休むことなく白笹の山頂を通過し風を避けるように南月山との鞍部で休憩をとる。ここからは、南月山までなだらかな登りが続く。尾根の東側は開けて見通しも良く、関東平野が一望できる。遠く、筑波山や白河方面まで青く輝いている。道ばたには色あせカラカラになったオヤマリンドウ。素晴らしい下界の光景を眺めながら程なく、南月山に着く。


ウバヶ平(左下)と大倉山・流石山
 山頂の小さな祠の蔭で一服するが、ガスで見通しは無く冷たい強風にあおられる。早々に牛ヶ首に向けて歩き出す。久しぶりに吹雪にあったように、顔や手が凍傷になりそうだ。慌てて風除けにカッパをはおる。沖さんが言っていた例のコマクサ探しどころではない。ノッペラポウのガレ場を走るように進み、ブッシュ帯へ入る。おかげで少し汗ばんでいた背中は、完全に乾いてしまった。


ウバヶ平への斜面
 日の出平付近はもう冬枯れ色だが、茶臼岳下方の斜面や、ウバヶ平方面は真っ赤に紅葉している。少し風も弱くなり、牛ヶ首までの斜面を快適な気分で下る。茶臼岳は相変わらずガスに覆われているが、風に加速され流れの速い噴煙は相変わらず元気がよい。寒い中、登山者も結構多く、まるで夏場のように賑わっている。紅葉の核心部、ウバヶ平も満員状態に見える。牛ヶ首から下りに入るが、団体さんや上る人で少し渋滞気味。それにしても、良い色が一面に広がっている。久しぶりの光景、他の人に負けじとカメラを回す。


ウバヶ平付近より茶臼岳を見上げる。
 ごった返すウバヶ平で茶臼岳と紅葉を撮影して、広場の隅に陣取り昼食をとる。あれっ、朝食はとったっけ?と思いだしおにぎりを2個立て続けにほうばる。時折日が射して暖かくなっている。のんびり周りを見渡し脳裏に焼き付ける。時間はたっぷりあるが、下の紅葉が気になり15分程で腰を上げて歩き出す。殆どの人は牛ヶ首方面に戻るようで、登山道もやっと静かになった。三斗小屋分岐に向けて、のんびり紅葉を楽しみながら下る。

 灌木も背が高くなり、歩きながらビデオを回す。良い色と木々の立体感も最高だ。程なく分岐に到着。カメラを構える人が数人、チャンスを待っているようだ。何と、色づく木々の葉の奥に茶臼岳が青く輝いている。絶好の撮影ポイントの様でもある。ザックを降ろし、良いアングルを探しながらしばし撮影に没頭する。ここからは少し上りになるが、登り詰めると再び大パノラマが現れる。素晴らしい、又撮影に没頭する。


三斗小屋への分岐より、奥茶臼岳
 会津と分ける流石山や大倉山のてっぺんは終始雲の中。その斜面の絨毯のような紅葉に未練を感じながら、沼原への下りにはいる。ブナやミズナラの色づき始めた大木の林の中をひたすら下る。足下にはもみじ等の落ち葉が敷き詰められ、地面も紅葉しているみたいだ。殆どがなだらかな下りだが、日の出平からの分岐手前は滑りやすい黒土の急傾斜となる。斜面に張られたロープを頼りに慎重に降りる。

 分岐を過ぎると再び緩やかな下りとなり、沼原湿原への分岐が現れる。今回は直接駐車場へ続くルートへと進む。全体的に緑が続く中、時折真っ赤やオレンジ色に染まった大木が現れ後ろ髪を引く。帰えるには大分早いようだが、少しでも早く高速に乗らなければ・・と思うと歩みは止まらない。13時15分頃駐車場に到着。バスも数台混じり、大混雑中だった。靴を履き替え小休止して車を動かす。道まではみ出した車の列中を進むが、づぎからつぎに上ってくる車にすれ違いも大変だ。


三斗小屋分岐から沼原への最高点からの那須連山の展望
 本道に出ると車はスイスイ進む。2時過ぎ頃からは那須IC入口やいろは坂の渋滞情報が流れていたが、我が車は高速道も含め渋滞に迷い込むことなく無事自宅に到着する。久しぶりの凍るような寒風と素晴らしい紅葉に、感激の一日となった。 阿部 記

コース時刻:沼原駐車場7:46−9:05白笹山−9:20鞍部9:27−9:54南月山10:03−10:43牛ヶ首−11:10ウバヶ平11:25−11:43三斗小屋への分岐11:53−12:39日の出日からの分岐12:47−13:14沼原駐車場