高鈴山  (623.34m:茨城県日立市東河内町)

H19.2.11


 家内の実家に出かけたついでに運動不足を補う意味をかねて、近場で一等三角点の高鈴山に家内と二人で登った。この山は「NHK花の百名山:イワウチワの咲く山」と紹介されている。登山道は向陽台(神峰山と高鈴山の尾根通しの鞍部:本山トンネル出口)から、また大甕駅から風神山を経て尾根伝いに北上、簡単に助川から舗装車道利用、そして御岩神社から御岩山を経由して登るルートがある。


大日堂
 家内の実家から近いため、暇つぶしに何度も登っているが、一番好きなのは御岩神社からのルートである。御岩神社ルートは元旦登山で初日の出を見るために何度か登った。当時は元日のお祝いに樽酒を振舞ったようで、明け方の未明の時間にはすでに参拝客は居なくなり、お酒が樽に1/4ほど残っているのを欲しいだけ飲ませてもらってから登山開始していた。今回は明るい時間帯での登山である。

 由緒ある神社らしく、半ばさび付いて判読しがたくなっている案内板に沢山の社殿が記載されている。境内に入ると直ぐに御神木の三本杉が右手に大きく伸びている。大日堂を過ぎて左に登山道がシャクナゲに見送られるように延びている。静寂な登山道は杉木立が美しく広がり、木漏れ日が行く先を照らしている。30分ほど登ると賀比礼神社だ。ここで最後の参拝をして呼吸を整え、軽く一本立てる。


アセビの蕾

イワウチワ

御岩登山道の岩場
 直ぐ先で裏参道ルートと合流し御岩山へ向かう。するとまもなく分岐があり、右に御岩山経由高鈴山、左に向陽台・高鈴山の標識がある。向陽台コースは初心者ルートであるが、途中から御岩山の岩裾を経て尾根へ出られる。御岩山ルートは岩尾根を辿るコース(正規ルートではない)と少し岩場を楽しめる登山道を辿るルートに分かれる。私は御岩山経由高鈴山のルートを採ったため家内もそれにしたがって、若干岩場を楽しめるルートを登ることにした。


賀毘礼神社

山頂

久慈男体山遠望
 私の辿った御岩山を真っ直ぐ登る岩尾根ルートは高度感があり、結構楽しめる。ただ加齢がバランス感覚を鈍らせていて、途中で少し高度感に緊張を強いられた。なんの遮るもののない西側の展望は、低いが久慈男体山の独特の山容が目立っている。岩場が終わろうとするところ付近には馬酔木が沢山の蕾をつけていた。

 家内の採ったルートにも岩場があり、その岩場でてこずっている様だったので少し降りて様子を窺ってみたが、案の定、岩場の登りで四苦八苦していた。足場を教えて何とか登ってきたが、厳しいルートに不評だった。この辺りにはイワウチワが沢山咲くが、今はまだ葉っぱがその存在を示すだけだ。

 やっとのことで尾根ルートに出て、そこからはのんびりと馬酔木のトンネルを歩き、高鈴山へと向かっていく。もう危険箇所はないのでアンテナの林立する高鈴山を目指すだけだ。できるだけアップダウンの多いルートを選んで一等三角点の設置された高鈴山に至った。いつの間にか山頂には展望台ができ、花の百名山と書かれた標柱まで設置されていた。トイレも建てられていた。暫く登らないうちに随分様変わりしたようだ。標柱の横に立って記念写真を撮ったが、気恥ずかしい思いがする。



アンテナ群
 展望台から神峰山を望む。那須・日光方面は山が霞んで見えない。筑波山、加波山も霞んでカメラに写しこめない。東方向には樹林越しに太平洋を望む。いつも感じることだが林立するアンテナ群の屋上に登らせてくれたら絶景の展望が得られるはずと思うが、それを叶えさせてくれるような配慮が欲しい。展望を邪魔するところにアンテナを設置しているのだから。しかも税金で建てられた建物なのだから、寛容な気持ちで展望を楽しんでくださいと言うゆとりが欲しい。

 風を避けて簡単に食事をして、帰路は御岩山の岩裾を経るルートで向陽台ルートからの道に合流し、裏参道を経て御岩神社に戻った。馬酔木の花も蕾が大きく膨らんで、今年はいつもより早く花が咲き出しそうな雰囲気であった。 沖 記

コースタイム:日立市多賀町9:00===9:45御石神社10:00---10:30賀比礼神社10:35---10:45岩場---10:55御岩山(492m)---11:30高鈴山山頂(623.3m)11:50---12:55御石神社13:05===13:55日立市多賀町