須川岳−秣岳


H19.10.7

   栗駒山・秣岳


ゆげ山西ルートの遊歩道
 家内が岩手に来たので紅葉を求めて栗駒山に登ることにした。昨年の栗駒山は素晴らしい紅葉に巡り会えたため今年も二匹目のドジョウを狙って同じ秣岳を周遊するコースで家内を案内する。昨年より一時間以上も早く家を出たのに、須川温泉手前約6Kmで早くも渋滞の様相を呈している。何とか温泉駐車場に到着したが、すでに8割がた埋め尽くされて人出の多さに驚かされる。駐車場から眺める栗駒山の山肌はすでに駐車場上部で黄色く染まっている。これは昨年登ったときと同じような状況にあり、期待が高まる。


昭和湖上部から地獄谷を登る登山者の列
 山の支度を済まし秋田側からゆげ山の西を巻くルートで名残ヶ原に出る。ススキの穂が逆光に映えて美しい。名残ヶ原にて一般ルートと合流するが、登山者が多くて前途が案ぜられる。車の渋滞と同じように登山道でも交互通行で、登りの登山者がスムーズに歩けなくなって渋滞を起こしてしまう。特にバス旅行の団体が下山すると優先の決まりも関係なく、結果的に団体登山が渋滞を引き起こす要因になってしまう。そうでなくとも景色に見とれて渋滞するので、とにかく進まない。自然観察路を下り専用ルートとするような工夫がこの季節だけでも必要かなと思われる。


栗駒山頂方面をバックに沖夫妻
 地獄谷から昭和湖にかけて見晴らしが良いため、数珠繋ぎに登山者が登っている様子が良く分かる。山開きのときよりはるかに多い。この状態は昭和湖の上部でも同様だ。山肌の紅葉は赤色が少し黒ずんでいるが、全山が赤く染まって見事に秋色になっている。ガスが山頂を覆いくっきりとした山肌が見えないのが残念だ。


須川分岐手前から見る栗駒山の紅葉
 須川側からの登山者がこんなに多いのでは、それ以上に宮城側からの登山者が多く、山頂はさぞかし大混雑だろうと予想し、須川分岐から山頂へは向かわず真っ直ぐ秣岳に向かう。すると極端なほど登山者が少なくなり、少し開けた風を避けたところで一息入れる。

 その後、展望岩頭にて眼下に広がる昭和湖、龍泉ヶ原の湿原などガスの切れ間から時々見える紅葉風景を堪能する。家内は感動して言葉も出ない。我方は昨年のほうが綺麗だったと少し覚めた目で見ているが、絶景であることには変わりない。この景色はさすがに「展望岩頭」と言われるだけあって、そのものずばりで眼下に見事な景色を見せてくれるが、それが今は錦秋のドレスを着飾っているのだから申し分ない。おまけにチラッとしか見せてくれないからなおさら綺麗なのかもしれない。見飽きることのない展望を振り切るように秣岳に向かう。


しろがね草原の紅葉
 [ドウダンツツジの道]と名付けられた秣岳への尾根ルートは赤く色づいたドウダンツツジが多い。しかし今年は発色がいまひとつで少し黒ずんでくすんでいる。もう2,3日すればもっと赤くなるかもしれないが、今でも十分楽しめる。贅沢な要求をしながら鞍部に下り、それから少し登り返すと草原が広がりを見せるようになる。


秣岳山頂から望む派生尾根の紅葉
 代赦色に染まった草原は風に揺れ、ハイジの世界に引き込まれているようだ。前後左右に赤、黄、緑の色彩が微妙な配置でガスの中から浮かび上がる。カメラに収めるにはクッキり晴れたほうが見栄えするが、ガスが流れる今日はベール越しに見えて幻想的である。いくつかのアップダウンを経て、待望のしろがね草原に到着する。会津駒ケ岳の中門岳の尾根と良く似ているが、ドウダンツツジやミネカエデで赤色が多く見栄えがする。特にしろがね草原は岩場に赤、黄、緑に染まった小潅木が適当にちりばめられて、自然の造詣にただただ感動するばかりだ。やっぱり今年も素晴らしい紅葉を見せてくれた。


マイヅルソウ

しろがね草原
 秣岳まではまだいくつか草原を越えていかなければならないが、絶景はどこまでも続く。秣岳山頂は三等三角点が設置されて須川温泉方面の展望が素晴らしい。眼下には須川高原の広大なブナ林が広がり、そこに須川湖やいくつかの湿地が配置されてこれまた見事だ。しかしそこは観光地化されているので、折角の景色も色眼鏡で見てしまっていくらも感動を覚えない。

 長居は無用と急斜面を一気に下って秣岳を振り返ると、ピラミダルな山容に山頂部が赤く染まって陽に映えていた。足元には赤い実をつけたマイヅルソウやツルリンドウが小さい秋を演出している。まだこれから紅葉が始まろうと言うブナ林を一気に車道まで下りる。秣岳登山口から須川温泉駐車場まで2.7Kmの車道歩きが何とも言えず長い。家内は須川湖駐車場で動かないため、一人で車に戻り迎えに走った。山の仕上げの温泉は混雑を避けて祭畤温泉まで戻って、ゆったりと身体をほぐした。 沖 記

コースタイム:摺沢6:50==(約70Km)==8:10須川温泉8:30---9:35昭和湖9:40---10:40須川分岐10:45---10:55展望岩頭11:05---12:10しろがね草原(昼食)12:45---13:05秣岳(1,424m)13:10---13:25分岐---14:00車道---14:45須川温泉15:10==(祭畤温泉@300円、約70Km)==摺沢

H18.10.1

   栗駒山・秣岳


昭和湖下部

龍泉ケ原・秣岳 遠望

しろがね草原の紅葉

真っ赤なナナカマドと沖氏
岩手県では最近朝夕の冷え込みが続き。紅葉が進んでいそうな雰囲気を感じたので様子を見に10月1日に須川岳に出かけてみました。家を出るのが少し遅くなったが途中までフォグランプを点灯して走行する。視界は徐々に良くなって須川温泉駐車場に着く頃にはすっかり明るくなっていた。心配された駐車場は沢山の車で混雑していたが、駐車できないと言う事も無く、運良くビジターセンターの真ん前にスペースを見つけた。

 紅葉は温泉付近まで降りてきていたが駐車場のナナカマドは無残な姿をさらしていた。キャンプ管理棟の上まで登って山の様子を大凡で把握し、源泉から流れ落ちる温泉足湯を見ながら登りを開始する。


須川岳の山肌

栗駒山を望む

しろがね草原
 名残ヶ原まで登ると、目の前に見事な紅葉が広がっている。嬉しくてついピッチが上がるが、気温が高くて汗が噴出してくる。また登山者も多く登山道もかなりぬかるんでいて、ゆっくりと全体のペースに合わして登ることにする。ガスが太陽光線を遮ると煌びやかな発色が消されてしまうが、カラフルな山肌はたとえようも無く美しく自然の描くキャンバスは見事としか言いようがない。ガスの切れ間にぱっと明るくなるときがシャッターチャンスで、どの場所で晴れても絵になる景色に目はきょろきょろして落ち着かない。

 昭和湖まで予定通り45分で到着。そこから急坂を登っていくと紅葉の美しさは益々際立ってくる。同時にガスも濃くなってきて団体の降りてくるのを待ちながらガスの晴れるのを待つような状態が続く。須川分岐の手前で阿部さんと会い、山の様子を窺ったところ「ここ2〜3日で一気に紅葉が進み、今は須川分岐手前辺りが一番の見頃」とのことでした。

 私は当初予定通り山頂へは行かず、分岐を右折して秣岳に向けて進む。このルートに入ると一気に人数が減り静かな山を堪能できる。分岐から5分ほどで「展望岩壁」の絶景の場所に到着。足元が切れ落ちて眼下に昭和湖や龍泉ヶ原を見下ろせるこの場所から見事な紅葉が展開していた。紅葉の真っ只中を秣岳鞍部まで下り、草紅葉が広がる緩やかな斜面をゆっくり登る。正面の稜線はドウダンツツジやカエデで赤く染まり振り返る山肌もまた赤く染まり、右を見ても左を見ても同じように赤く染まっている。ガスもいつの間にか晴れて山がまるで信号機のように赤、緑、黄色に発色している。嬉しい。勿体無いからゆっくりゆっくりと歩く。

 しろがね草原は圧巻だった。岩場に広がる潅木は真っ赤に染めて広がりを見せ、草原が代赦色に輝き、タイミングよく来合わせたことにラッキーと言うには勿体無いような景色だった。もう言葉は要らない。山の余韻を楽しむように下りもスローペースで歩く。ブナの森は少し黄色っぽくなっていたが、来週辺りが見頃になるのかなと思われる。  沖 記

コースタイム:摺沢8:00==(約70Km)==9:30須川温泉9:45---10:30昭和湖10:35---11:10須川分岐11:15---11:20展望岩壁11:25---12:05秣岳鞍部--(昼食)--13:10しろがね草原13:20---13:40秣岳13:45---14:05分岐---15:00車道---15:40須川温泉15:55===摺沢

H17.8.27


    須川岳−秣岳


イワショウブ

エゾオヤマリンドウ
 須川岳から秣岳に登ってきました。昨夜の酒宴で今朝は5時に起床したが、どうも洗面所に行く気にならず6時前まで寝床でぐずぐずして、やっと起床。

 須川温泉に到着すると空気はひんやりして、やっぱり山に来て良かったと実感。駐車場脇のナナカマドは少し葉が色づき始めている。温泉脇の登山道にはいると、イワショウブとタカネトウウチソウが咲いている。名残が原湿原はイワショウブとリンドウが印象的。イワショウブは山頂までずっと咲いていて、この山に多い花だと改めて実感する。


秣岳

しろがね草原

虎毛山遠望
 山頂には20名程度の登山者がいた。雲が多く展望には恵まれず、強くはないが風が冷たく上着を羽織って身体の冷えるのを防ぐ。山頂一帯もまだ紅葉にはほど遠く、足元にはウメバチソウが多い。須川分岐から秣岳に向かうが、とたんに登山者がいなくなり「熊出没注意」の文字に重みを感じる。

 このルートは良く刈り込んでくれていて、藪になったところはなく快適に歩ける。ルートもアップダウンにきついところはなく、秣岳に近づくと幾つか草原や湿地が現れる。秣岳コースのハイライトであるしろがね草原は稜線上とは思えぬ程大きな草原で、木道が設置されており、ここでもイワショウブが目立つ。しろがね草原まで来ると山頂は近いが、ここで草紅葉になりかけた草原を見ながら昼食をする。冷えたビールが美味しかった。

 西に虎毛山から高松岳に続く稜線が見える。この二つの山頂には避難小屋が双眼鏡で確認でき、稜線の奥には神室山が見える。山岳展望を堪能しながらの食事は最高のご馳走だ。東には須川温泉が周辺に湿原を囲って、これまた素晴らしい景色だ。秣岳山頂は狭く一組が昼食をしていたが、もうそれで場所を占有していてゆっくり出来る状況にない。また西側の展望も灌木越しになる。

 早々に山頂を辞して下山。途中、視界が開けると眼下に須川湖が美しい。しかし秣岳登山口に下り、須川温泉までの車道歩きは長く、おまけに泥炭地に寄り道したためよけいに辛かった。 沖 記

コースタイム:大東町6:30==(70Km)==8:15須川温泉駐車場8:30---9:15昭和湖9:20---10:15須川岳10:25---11:35しろがね草原(昼食)12:20---12:30秣岳12:40---13:00分岐---13:30車道(須川湖登山口)---14:20駐車場(入浴@500円)15:00==(70Km)==16:50大東町