南本内岳 (1492m)



H22.10.23

     南本内岳  1492m焼石連峰(旧胆沢町、旧湯田町、東成瀬村)   山行者:森、吉家、阿部


成瀬村側三合目駐車場
 2年前の震災以来、焼石岳登山と言えばツブ沼コースと決まっていた。登り4時間は老体には辛くなった来た。東成瀬の三合目からなら3時間で登れる。そうだ・・東成瀬から登ろうと言うことになり、にわかに老山隊が組まれた。

 車の行程が長くなるとのことで6時半森さん宅を出発、途中で吉家さんと合流し一路前沢のコンビニを目差す。気温が下がって川霧が沸く中、順調に買い出しも終了して大森峠へ進む。国道397号胆沢側上流部の紅葉が見頃を迎え、陽が射すと山肌が赤や黄色に輝く。時折、道路補修工事が入り一時停止の場面もあったが、ほぼ順調に進み大森トンネルを越えると間もなく三合目への分岐となる。狭く砂利道ではあるが、大きな凹凸もなく8時5分ごろ比較的揺すられること無く三合目駐車場に到着する。


釈迦ザンゲ分岐
 駐車場は、あと3台程で満車状態。ツブ沼コースからこちらのコースに変えた登山者が多くなっているようだ。身支度を整えて「ゆっくり・いぐべす。」と8時15分出発。陽が射し天気は上々。ブナやミズナラの紅葉も絶好調の様子、さほど息も上がらず快適に進む。何十年ぶりのコース、道標を見つけては思い出している様子。よく考えたら、我としては途中から初めてのコースで、どこかのコースに似た懐かしい思いもして新鮮な山歩きに感じる。


胆沢川徒渉点
 大森山の側面を回り込むようにやや平坦な道を進むと、やがて釈迦ザンゲ(坂)の分岐に到着。どうも結構きつい登りらしいので、全員一致でトラバースコースを選ぶ。緩い登りを坦々と進むとザンゲからの分岐に着き、最初のピークとなる。ここから胆沢川源流部に向かって緩い下りとなる。見通しは相変わらず効かないが、葉の落ちた灌木越しに三界山などがチョコチョコ見え出す。


六合目付近のブナ
 比較的歩きやすい道だが赤土がむき出しで滑りやすい所や、腐ってぬたば状の悪場も点在する。慎重に下ると沢音が大きくなり胆沢川が現れる。しばらく沢(川)に沿って進むが、増水時のエスケープルートに入り少し戸惑う。それから程なく川を渡り、さらに小さな支流を渡ると六合目の道標が現れ後続者と入れ替わりながら小休止を取る。


焼石沼付近の八合目分岐
 胆沢川を渉ると、いよいよ登りとなる。太いブナ林が続き、倒木にツキヨ茸を発見して更に覗き込むと、ムキ茸を見つけしばらく茸調査となる。この辺りの木々の葉は、縮れて枯れた様で紅葉とはほど遠い様子。足下に沢山降り積もり、小石や木の根が見えず歩きづらい。やがて灌木の背丈が低くなり、森林限界が近い。見通しもやや良くなり七合目の柳瀞と言う広場に出て小休止をとる。


左奥ピークが南本内岳1486m地点
 両側に笹藪が目立ち出すと、森林限界を完全に抜け出す。相変わらず緩い登りが続き、清水が沸く八合目の長命水につく。笹藪の地下を通ってきた湧き水、まあまあの名水のようだが上部の直ぐ近くに沼があるのが気になる。喉を潤し、5分ほど進むと広い平原が現れ焼石沼に着く。焼石岳本峰はまだ遠いが、周りの山並みが素晴らしい風景となっている。ここから焼石−本内岳コルの尾根まで、地図上は約40分のややきつい登りとなる。


南本内岳1486m山頂にて
 夏場なら素晴らしいお花畑だろう。葉が赤や黄色になっている小さな高山植物を楽しみながら黙々と高度を稼ぐ。焼石本峰には2名ほどの人影が見えて、尾根付近にも数名がいる様子。早く尾根にたどり着きたい思いで気も焦るが、足が重く息も上がって四苦八苦。真夏のような大汗にはならないが、結構汗ばみそよ風が心地よい。比較的足下の安定した登り、約25分で九合目の尾根分岐に着く。


時期はずれ・・キンバイの仲間
 分岐から約25分で焼石岳本山だが、今回は本山の北側に聳える南本内岳へと進む。昔のサスペンスドラマで「黄金流砂」に南本内川とか本内岳が出た頃より行って見たいと思っていたが、なかなか実現していなかった。全員一致で南本内岳へと進む。道の両側に熊笹が生い茂り、梅雨時にはカッパが必要のようだ。所々に湿地帯があり、夏場はお花も良いかも知れない。程なく南本内川源流点と言われる大きな沼が現れる。浅い沼のようだが結構広く見応えがある。


南本内岳側より焼石岳本峰を望む
 沼から高度差20m程登ると広い台地状となる。地図上の南本内岳(1492m)のピークとなる。三角点は見えず、小さな石碑らしい岩が置かれてある。山頂標識が建つのは、更に5分ほど進んだ丘の端にある。平原台地を少し下り気味に進むと、小さな湿原があり程なく見晴らしの良い仮想?南本内岳山頂(1486mと記されている)が現れる。8名ほどの先客がおり、昼食の最中。我らも腰を下ろし、経塚山や牛形山方面を眺めながら昼食を取る。


南本内岳より経塚山を望む
 岩手山方面は雲がかかり良く見えないが、鳥海山や反対側の早池峰山の頭が良く見えていた。足下には、季節はずれのキンバイの花。山ガールもちらほら、湯田側からの登山者は2時間半程で南本内岳に登れたと言う。ここから40分程で焼石岳本峰まで登れそう。湯田側の登山口が一番焼石岳に近いかも知れない。

 12時15分、焼石岳に寄らない予定で下山開始。九合目分岐には、1歳少々の子供を連れたご夫婦。これから焼石に登ると言う。特に子供さんに激励を言って、膝をかばいながら焼石沼に下る。沼には小さな魚影が多数見えている。中には大物も居そうな雰囲気。塩焼きを想像しながら生唾を飲む。

 再び灌木帯に入り、茸がないか倒木を探す。下山者が次々と通り過ぎる中、黙々と藪を調査している。延べ20分ほどかけて茸類を調査。更に胆沢源流で大休止など結構時間をとってのんびりと下山する。何時もと違った行程や風景に感動しながら、三名共に秋の山を満喫した。 阿部 記

コース時刻:三合目駐車場8:15−8:50釈迦ザンゲ分岐8:57−9:58七合目柳瀞10:05−10:25八合目長命水10:30−11:02九合目分岐11:11−11:31南本内岳12:15−12:59八合目焼石沼13:11−13:39七合目柳瀞13:40−14:16六合目(胆沢川徒渉点付近)14:30−15:25三合目駐車場 


2004.8.8



湿原の花々

南本内岳の頂

三界山を望む

焼石岳を望む
 8日は一人で南本内岳に登ってきました。花の山として名前は聞いていたけれど、今年は期待できないかなと思いつつ未知の山を訪ねて出かけてみた。

 湯田錦秋湖から入り、ダート道を丁度10Km走ると、やっと登山口に到着。車は数台駐車するスペースがある。お花畑ルートを取って湿原にはいるとアザミ、トリカブト、ミズギク、コバギボウシ、シラネニンジン、シシウド、トウウチソウ、イワショウブなどで嬉しい悲鳴。

 また稜線に出るとハクサンフウロ、ナデシコ、トモエシオガマ、ハクサンシャジンなどが出迎え。山頂では涼しい風に吹かれて暑さ知らずでご機嫌。一方では山はもう秋の装いをしてムシカリの実は真っ赤に染まっていた。 沖 記

コースタイム:登山口--1:15--新倉沢--0:40--湿原入口--1:30--南本内岳--1:15--新倉沢--0:50--登山口