権太倉山(976.29m:福島県白河市大字隅戸)

H18.11.4


 西那須野に帰って福島地方の紅葉の綺麗そうな低山を求めて遠くならないところの山を探したところ、「うつくしま百名山」に記載されていて伝説もあって面白そうな「権太倉山」という未知の山を見つけて、ネットで地図を読み出して家内と11月4日に出かけることにした。伝説では「平安時代中期、八幡太郎義家が奥州征伐の途中でこの山で休んだとき、馬方が義家の乗る鞍を置き忘れてしまい、ついにこの鞍が石に化してしまった」と伝えられる。また「倉」は岩壁や岩峰を意味すると言われ、福島県には他にも「志津倉山」や「鎌倉山」など岩山がある。この権太倉山の登山口に「聖ヶ岩」という岩壁があり、地元のロックゲレンデになっているようだ。


登山口

砂防ダム湖
 この権太倉山登山口は大信村の中心部から隅戸川沿いに延びる県道矢吹天栄線を羽鳥湖方面に進んだところにあり、登山口には「聖ヶ岩ふるさとの森キャンプ場」がる。ガイドブックにはここの駐車場に管理人に断って置かしてもらうと書いてあるが、到着時間が早かったため入口が封鎖されており、路肩に駐車して登山開始となった。

 権太倉山の登山ルートは聖ヶ岩ふるさとの森登山口(今回登りに利用)、田之沢林道登山口(一番楽に登れるルート)、および北ノ入登山口(別名隅戸川源流口、今回下山に利用)の3ルートある。私達はふるさとの森登山口から登り、復路は車道歩きが少なく同じ道を避けて北ノ入登山口に下りることにした。


聖ヶ岩

権太倉山山頂
 登山口となる聖ヶ岩はなかなか見応えのある立派な岩壁で、丁度紅葉が見頃で想定外の景色に嬉しさは倍増、ルンルン気分で急坂の取っ付きを登り出す。登山口も紅葉が美しくミズナラの多い明るい林をゆっくり高度を稼いでいくと、20分ほどで「大間ヶ嶽の風穴」に到着。夏場には涼しい風が吹き出すとの事だが、いまは何も感じない。辺りの紅葉を眺めながら軽く一本立てる。

 急坂はもう少し先の尾根越えまで続き、その後は一旦下って杉林との境界をトラバースするように北側に回りこむと、馬の背分岐に到る。この山は目線の高さにカエデ類が滅法多く、今年は赤く染まった葉は少ないが、多い年は多分見事な景色を見せてくれると思われる。

 尾根沿いの登山道はよく整備されていて笹の背丈も膝まで届かない程度で、明るいハイキングを楽しめる。紅葉した景色に見とれながら呼吸を整えて、ゆっくりと山頂に近づいていく。のんびり歩いたつもりでもコースタイムから大きく遅れることも無く、視界の良い山頂に飛び出した。山頂には2等三角点が設置されており、標柱に山名と標高が記載してある。山頂は狭いがブナやミズナラ、ケヤキなど落葉樹が密生している。なかなか静かで良い雰囲気だ。

 山頂からの展望は生憎カスミがひどくて間近に位置する羽鳥湖も霞んで薄く見える。那須から会津方向にかけて伐採されていて、視界が良好であれば楽しい展望を堪能出来たろうと思われるが、カスミが邪魔をしてさえない展望に甘んじるしかなかった。

 山頂で早い昼食を簡単に済まして、復路を往路で辿った馬の背分岐まで戻る。意外と急な下りに驚くが、紅葉が登り時に楽しませてくれた結果だと納得する。馬の背分岐から西に進路をとり急坂を虎ロープを頼りに一気に高度を下げていく。でも景色は素晴らしく紅葉はやさしく空気を包み、何とも言えない山の錦を演出している。このルートは足元にイヌガヤが多いのが特徴のようだが、それも暫くの間だけで沢に沿うようになると林床も綺麗になる。この山から流れ下る沢は一枚岩のスラブで七ヶ岳の羽塩ルートと似ている。

 隅戸川源流に合流して川をトラバースして車道に出れば、山歩きはおしまいで、あとは紅葉狩りの車に注意しながら駐車場に戻る。途中砂防ダムがダムと化したところで水面に写る紅葉と落ち葉、立ち枯れた幹など良い被写体にカメラを向ける。

 下山して改めてキャンプ場から眺める聖ヶ岩は、灯台下暗しともいえそうなほど素晴らしい景色を見せてくれていた。権太倉山は拾い物の良い山だった。 沖 記

コースタイム:西那須野6:40==(約63Km)==7:50聖ヶ岩ふるさとの森登山口8:05---8:25風穴8:30---9:15馬の背分岐---10:10権太倉山山頂(976.3m:昼食)10:40---11:17馬の背分岐---11:45源流分岐(北ノ入登山口)---12:05聖ヶ岩ふるさとの森登山口12:25==(約63Km)==13:55西那須野