駒止湿原 (福島県南会津町)


H24.6.30

     駒止湿原 (福島県会津田島町より)  参加者:沖夫妻


ワタスゲ

ヒオウギアヤメ


素晴らしいワタスゲの群落

咲き出したニッコウキスゲ

沖御夫妻

 コースタイム:西那須野845==(70Km)==1025駒止湿原駐車場1030---1035大谷地散策(約50分)---1120白樺谷地散策(約20分)---1140水無谷地散策・昼食(約70分)--1250白樺谷地---1305旧農道(帰路・約30分)---1335駒止湿原駐車場13:40==(会津田島に寄り道)==1545西那須野

 今春「南会津町の湿原を守る会」が主催した第一回駒止湿原山開きに参加し、その時に見たワタスゲの多さに再訪を強く意識した。当日は事務局の山田喜代子さんに湿原の案内をして頂いたが、この日も「会」のほうで駐車場案内など精力的に活動しておられ、本部テントには前回お世話になった山田さんも来て登山者を見守っていた。挨拶方々湿原の様子を尋ねると最高の状態とのこと、大いに期待して湿原へ向けて家内と共に力強く歩き出した。

 大谷地湿原に入るといきなりヒオウギアヤメ、ニッコウキスゲ、レンゲツツジのお出迎え、名前は知らねど枝が真綿で包まれた小潅木もまた見事だ。湿原の広がりが増すようになるともうワタスゲによる独占状態で、周辺一体が白い穂先で埋め尽くされている。言葉は出ない。ただ家内とベストのときに来た喜びを笑顔で肯き合うだけだ。

 先を急ぎたいけれど、この景色を眺め入っていたいという、相反する気持ちをどう整理したらよいのか、とにかく「すばらしい」の一言だ。青空と澄んだ空気で、行く先を見れば純白の湿原の奥にブナによる若緑の衝立、振り返れば白い穂先が逆光に映えて、ブナの木陰の濃緑で更に引き立って見える。数歩歩いただけで周りの景色が微妙に変化する中、とにかくカメラを休める暇が無い。

 湿原も木道、小潅木、水路等により景色が分断されたり、遠近感を与えてくれたり、また異なった色彩によるアクセントだったりと見飽きることが無い。通常の二倍の時間をかけて大谷地湿原を抜け、少し乾燥の進んだ白樺湿原に入る。

 白樺湿原のシンボルである落雷で朽ちた木立を、五月に山田さんから「駒止タワー」と呼ぶのだと教わったが、このオブジェは段々風化して小さくなっているようで寂しさを覚える。この白樺湿原もまたワタスゲが支配し大きく広がっていた。

 一番奥にある水無湿原はミズゴケの種類も多く多様な表情を見せてくれるが、やっぱりここでも遠くまで白く埋め尽くされた綿の穂先に圧倒されてしまう。この水無湿原も一歩歩むたびに景色が変化し、とにかく見飽きることの無い楽しい散策ができる。気がつくともうそこは湿原の終わり、ブナ林の樹林帯に入る手前まで行って、そこで引き返して途中の休憩できる木道脇のベンチでワタスゲの広がりを見ながら遅い昼食とする。質素だけれど、でもとっても贅沢なランチ、やっぱり山で食べるおにぎりは最高、ましてやすばらしい景色、天候を肴にすれば文句無く旨い。

 ワタスゲのことばかり書いてしまったが、湿原を詳細に見ると小さいけれどもツルコケモモやサギスゲ、まだ蕾だがサワランなどが印象に残った。 沖 記


H19.8.5

 

大谷地

白樺谷地
 西那須野でのんびりするつもりが、余りにも急激に暑くなったため、その暑さに耐えかねて高原の空気に触れよう思い立ち、汗をかかないで涼風を満喫できる駒止湿原を久しぶりに訪ねた。

 駒止湿原は昭和村の観光案内には下記のように記されている。『昭和村と南会津町にまたがる駒止湿原は、ブナ林に囲まれた10数個の湿原が点在しており、その代表的なものが大谷地(約14ha)、白樺谷地(約5ha)、水無谷地(約8ha)、国の天然記念物指定保護区域面積は104.67haあります。この3つの谷地を結ぶ木道と道路は約2kmです。駒止湿原の特徴は低層から高層へ3種類の湿原があり、幅広い種類の植物を見ることができるのです。その数は471種類。4月下旬のミズバショウに始まり、初夏のワタスゲ、ニッコウキスゲが湿原一面を彩るさまは見事です。また、秋の紅葉シーズンも見どころ。全ルート、片道130分〜180分です。シーズンによってはクマに遭遇することもありますので気を付けて下さい。』


カキラン

ネジリバナ

コオニユリ

ノリウツギ

ヒヨドリソウ

ミズギク
 トイレも完備された駐車場は既に10台以上の車が置かれており、結構入山者が多い。下段の駐車場で支度をして、家内と二人でいざ出発。歩き始めの道路脇にウツボグサが咲いている。ミツバフウロは車道沿いに小さな薄桃色で可憐だ。大谷地入口近くでムシカリが早くも赤い実をつけていた。ここで監視員の方が戻って来るのと出会って湿原の様子を聞いてみるが、「今は一番花の数が少ない時だ」とつれない返事が返ってくる。

 大谷地湿原に入ると背の高いカヤが随分多く湿原に蔓延っている。こんなはずではないと思いつつ木道を進んで行くとやっと湿原らしい景色になってきた。コオニユリの朱色が一際目立っている。コバギボウシがこの時期の湿原の主役だと主張している。足元を良く注意して見ると、黄色いカキランも所々に咲いている。またツルコケモモも花より大きな実をつけている。

 ノリウツギが白い花を今が盛りと咲き、ミズバショウの大きな葉は茶色に変色しつつあり、ヤマドリゼンマイが湿原の背を高くしている。ミズギクも咲いているが群生していないのでカメラに収める気にならない。大谷地湿原を抜け林道を白樺谷地に向っていくとヒヨドリソウが咲き始めている。白樺谷地は花数が少ないが雷で枯れたシラビソの木だろうか、天空に向かってオブジェのように立っている。樹皮を見ると一面炭化していることより、落雷で一命を落としたものと推測される。「出る杭は打たれる」の例え通りの光景だ。

 ブナ林を抜けると水無谷地に入る。名前は水無だが一番湿地らしい風情で、ミズギク、ネジバナ、モウセンゴケ、カキラン、ミカズキグサなどが多く見られる。ミズバショウも多い。素敵な景色と爽やかな空気に包まれ、やっぱり自然が一番の避暑である。水無谷地でのんびり湿原を散策してから昼食をし、その後は往路を戻る。ちょっと寂しい話だが、駒止湿原入口から僅かに南郷方向に向かったところにあった「峠の茶屋」は跡形も無く更地になっていた。又名所が一つ消えてしまった。山の汗を流すため「きらら289」にて入浴、食事をし、ゆったり仮眠を摂ってから帰宅。お陰で栃木地区で荒れ狂った雷に遭遇することなく、安全運転で戻った。 沖 記

コースタイム:西那須野9:15==(約70Km)==10:50駒止湿原駐車場11:00---11:10大谷地入口---11:40白樺谷地入口---11:55水無谷地入口--(昼食)--12:50白樺谷地出口---13:00大谷地出口---13:35大谷地入口---13:45駒止湿原駐車場13:55==(入浴:きらら289@700円)==18:30西那須野