紙おむつの少年

 数年前に秋田駒ヶ岳に登っていた。この日は、天気も良く、花もちょうどいい時期で最高の登山日よりだった。しばらくすると、ザックの他に妙なものを背負った少年の2人組が登ってきた。よく見るとそれは、ミミーMだった。「なんでそんなものを」と訪ねると「先生に頼まれた、わがんねー」とにこにこしながら話した。

 はじめは、身障者でも登っていてその人のサポート用品かと思ったが、ただ秋田駒ヶ岳を往復させるだけだった。でも、良く聞くと若い先生らしく、子供が産まれてこの日の予定が狂ったか、奥さんに子守を頼まれたのか、あるいは秋駒のにおいのする?おむつを付けさせ早く一緒に登山でもしたかったのか、といろいろな思いがはしる。

 本当のところは定かではないが、この先生は、この生徒と一緒に登りたかったのではないか。残念でしたねー。生徒達は、生保内方面に降りていったので、秋田の高校生だろう。帰った生徒達は、先生にあれこれ聞かれ大変だったのではないだろうか。