富士見下−アヤメ平 尾瀬



2005.10.16

   富士見峠・アヤメ平・白尾山(尾瀬)


富士見田代より燧ヶ岳

アヤメ平の池塘群

白尾山より奥白根山(中央奥)
 16日、前線が南下するのを信じて、気になっていた尾瀬・富士見峠に出かける。早朝

田代原にて
の5時、雨の中出発、いろは坂を登りきると西の空が明るくなり雨はあがっていた。戸倉は青空も覗きだし、ルンルン気分で富士見下まで車を進める。車止めゲート前の駐車場には5台程が止っている。人気がないコースなのか、天候のせいか車は疎ら、静かな山歩きが楽しめそうだ。このコースは富士見小屋まで車道が続くが、この時期には紅葉を楽しみながら歩けるだろうと思い以前から気になっていた。

 身支度を整え8:03出発。車道は整備されて歩きやすいが、傾斜は結構きつい。七曲がりを過ぎるとまもなく傾斜の緩やかなブナ林となり、紅葉も本格的に鮮やかに広がっている。休もうかと腰掛けるものを探すが、濡れた草むらしか無く、やむなくそのまま進む。背の高い灌木に囲まれ見通しは良くないが、刻々と変わる紅葉は見飽きることはなく快適に進む。


標高約1650m付近にて
 小一時間進むと、大木も疎らになり右手奥に荷鞍山や白尾山方面の尾根が見え出す。見通しが良くなった分そよ風が、火照った体に心地よくなでる。遠くには戸倉の集落や赤城山も見え、高度が上がっているのを実感。更に進むと正面に裸の尾根が見えだし、富士見小屋は近いと感じる。標高約1800mを過ぎると木々の葉は落ち冬枯れ色と変わるが、真っ赤なナナカマドの実がたわわに実り色を添える。

 9:53富士見小屋に到着。客は殆ど居なく、各窓に板をはめて冬じまいの準備中だ。小休止後アヤメ平に向けて登り出す。富士見田代の池塘の奥には、雲が取れ始めている燧ヶ岳が見えて7月のリベンジが叶いそう。休む間もなく、アヤメ平に急ぐ。東北なまりの5−6人のパーティを追うように進むと、回りが開け丁度良い草紅葉に彩られた草原が現れる。程なくアヤメ平核心部に到着する。

 池塘の点在する大平原の奥には至仏山がドッシリと構える。振り返れば同じく平原の奥にガスの切れた燧ヶ岳が顔を出した。良い・・最高の景色だ。1900mを越える高層湿原アヤメ平は、大湿原と絶景が存分無く楽しめる。平原の端まで足を勧め、のんびりと景色を堪能しながらビデオをまわしまくる。5−6人のパーティが去った後、新潟から群馬に転勤したという単独行の同年代の男性が現れる。奥さんを連れて来るための下見と言いながらパンを分けていただき、しばしの談笑。約30分ほど楽しみ再び富士見小屋へ戻り、尾瀬沼が見えると言う白尾山へ向かう。


アヤメ平と至仏山
 マイクロウエーブの中継所までは車道が続き、背の高い雑木林に囲まれて見通しは良くないが、部分的に富士見小屋方面の視界が開ける。約20分で中継所に着き、小休止後白尾山へ進む。再び雑木林に入ると、やや平坦な道は腐り初めて歩きづらくなり、程なく少し下ると小湿原に出る。すると藪がガサガサとざわめき聞いたことのない鳴き声が聞こえ、慌てて口笛や声を上げる。何か居る、ザックから鈴を取り出し取り付ける。気を取り直し再び登りに取り付く。


ツルリンドウ
 二度目の見通しの良いピークに出るが、高度差約20m下りとなりガッカリしていると咲き残りのツルリンドウを見つけ得をした気になる。更に下った以上の登りが続き、灌木の背が低くなると東方の視界が開け日光方面の山々が間近に望む。やがて草付きを数回横切るとシラビソとクマ笹に囲まれた白尾山(2003m)山頂に出る。・・何処に尾瀬沼が見えるって・・と探すとシラビソの間から大江湿原を発見、体を移動して沼尻辺りの尾瀬沼も発見する。思っていた以上に視界が悪く、少し皿伏山へ続く道を進むと燧ヶ岳と見晴付近の尾瀬ヶ原を眺める。あちらこちら移動しないと展望が楽しめない。あきらめ心地で昼食を取り富士見小屋へ引き返す。



 小屋からは車道の下り道、誰かに背中を押されるような感覚で坦々と進む。人が居ないため付けっぱなしの熊よけの鈴、二種類の音を奏でチンチン・チンチロリン・・足を運ぶ度に同じリズムを探す。紅葉と音色を楽しみながら爽快に下る。この日の出会った登山者は数人、静かな山歩きを満喫して帰途につく。紅葉は約1400mまで下がってきていた。載せきれない各絶景はビデオに納めました。 快適に車は進む、ガァ、中禅寺湖からいろは坂の下まで約1時間の渋滞。やっぱり、紅葉の季節は日光通過は控えた方が良さそうだ。  阿部 記

コース時間:富士見下ゲート8:03−(約7km)−9:53富士見小屋10:03−10:20アヤメ平10:50−11:08富士見小屋−11:29マイクロ中継所11:38−11:59白尾山12:30−13:11富士見小屋13:16−14:48富士見下ゲート